今回は、思わず感動して泣いてしまったハートウォーミングなエピソード。
フランスのいいところは、子連れの人に優しいんですよ。
社会全体で子供を育てていく責任があるよねっていうマインドを、みんな自然と持ってるように感じます。
昨日、バスに乗って出掛けていたんです。

以前ブログで書いたとおり、 Bonjour!とあいさつをすると、バスのドライバーの男性もとても優しい笑顔で返してくれて、気分よく乗車。
運転席が見える1番前の席に座って発車を待っていました。
そこに、大きいベビーカーで乗車してきたママと3人の小さな子どもが。その内のひとりは可愛い赤ちゃん。
ドライバーはママが大変そうにしているのをバックミラー越しに気づき、運転席からわざわざ出てきて席に座るように案内していました。
ママの表情からは、余裕がなく疲れ切っているようす…
バスは発車し、ドライバーの安全運転により無事進んでいました。
フランスの交差点は、円形交差点(ラウンドアバウト)がたくさん取り入れられています。通常のL字に曲がる交差点とは違って、真ん中に障害物があって、みんな一方向に曲がって行きたい方向の道に進むんです。
大型のものだとパリの凱旋門まわりが有名ですよね。小型なのはこんな感じ。

一方向にしか回れず、スピードも出せないので事故率が低くなるんだと思います。ヨーロッパでは多く取り入れられているそう。
ただこのラウンドアバウト、小さいところだとめっちゃ左右に揺られます。道幅が狭いとドライバーも難しそうにしていて、縁石に乗り上げることも。
この日のドライバーは運転上手で、このラウンドアバウトも難なくスイスイ運転していました。
幹線道路に出ようと大きなカーブを切ったとき、事件は起こりました!
置いてあった大きなベビーカーがごろんと後ろに倒れてしまい、ベビーカーの下の段に乗っていた3才くらいの男の子の頭がゴツン!
「ギヤ〜〜〜!!!」
と泣き始めてしまいました。
一時騒然とする車内……
すると、ドライバーが一時的にバスを側道に停車させました。
そしてバッグの中からキャラメル菓子「Carambar(カランバー)」を取り出してその男の子の元へ。
正直、「そんなお菓子で泣き止むの…?」と思っていたんですが、
お菓子をもらった瞬間、ウソみたいにピタッと泣き止んだんです!!!
そのドライバー、その子だけじゃなく、乗車している他の子供たち全員にCaramberを配っていき、事なきを得ました。

Carambarは、フランスでは国民的なお菓子として有名だそうで、70年もの歴史があるみたい。私も今度買ってみようと思います!
ドライバーが席に戻る瞬間、
“Il y a toujours une solution.”
いつでも解決策はあるんだ
とつぶやいていたそう。
文章にするとなかなか伝わらないと思うんですけど、超ドラマティックだったんです。
わたし、思わずその場でポロッと涙が出てきてしまいました……
(歳とともに涙腺が崩壊しているのでどうかお気になさらず)
そのドライバー、本当に素晴らしい人で。
常に乗客に笑顔であいさつをして気を配り、安全に配慮するために話しかけたりしていたんですね。
狭い道で車とすれ違うときは、笑顔でピースサイン(?)していたり。
信号のない横断歩道で子連れの家族が歩いているところを停車するときは、必ず子どもたちに笑顔で手を振っていました。
実はあの子どもにあげていたCarambar、あのアクシデントが起こる前、自分のおやつ用にバッグから取り出しているのを見ていたんです。
何かあった時に子どもが喜ぶお菓子をわざわざ選んで、自分のおやつ用にしているのかも。
ザベストドライバーオブザワールド的な選手権があったら間違いなく一位をあげたい!
そんな優しいおっちゃんでした。
フランスのバスでは、いつもドラマが起こります。
日本では想像できないようなことも多いんですよ。
こちらは先日パリでセーヌ川を渡るときにバスから見えた景色。

夏に行ったリヨンや先月行ったパリ・ミラノも早く更新したい~!
それではよい一日を!Bonne journée!

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