フランス在住Yuko’s Blog

私なりの視点から、フランスの日常をご紹介

君たちは、日本が戦争しないとでも思っているのか

過激なタイトルになってしまった。
別に政治的な考えを押し付ける内容ではないので安心してほしい。

ちょうど15年前、大学の研修旅行でNYの国連本部へ行ったときのこと。
観光気分で浮かれる私たち生徒に、引率の先生が強く言い放った言葉だった。

あと少しで35歳を迎える自分に対しての自戒ブログとしてここに残しておこうと思う。

そして、なぜ海外に移住したのか?
一言では語れないのだが、自分でもこのブログを書きながら整理していく。


|わたしの今まで

私は三姉妹の歳の離れた末っ子として生まれた。
幼少期から、自分とは異なる見た目をもつさまざまな人種に興味があった。幼稚園児のときからそうだったと記憶している。

小学校、中学校と年齢が上がっていくうちに自己主張が強すぎるくらい強くなった。部活では恐怖政治を行ったり、また敵対する教師の授業のボイコットを仕掛けたりと、まさに暴走していた。
それなのに、移住のタイミングで送別会を開いてくれた旧友たちには感謝しかない。

高校時代は人生で一番必死に活動していた。もともとファッションデザイナーになりたいと思っていたのだが、自分で服を作ってみると才能がないことに気が付き、高3の春に大学受験を決めた。

興味のあった国際政治を専攻し、大学生活を満喫した。

いつもやりたいことが明確で、進学する学校についても自分で調べて自分で決めていた。
小さいときから私の意思決定を尊重してくれた両親のおかげなのかもしれない。

やがて社会人になり、ファッション業界で仕事をした。すぐに挫折を経験したものの、徐々に裁量のある仕事を任されやりがいを感じていった。
そして昔から夢だった自分のブランドも立ち上げた。

仕事に重きを置きつつ、家族や友人もそばにいる環境で過ごす充実した日々――

一方で、いまだ世の中のことや世界のことを知らない自分に危機感を感じていた。
ニュースで報道されていることの本質を理解していない自分が恥ずかしい。

本当にこのままでいいのか?

「英語を勉強し、海外で仕事をしてみたい」と書いた中学時代の自己PR。

出る杭を打つような日本の教育に疑問を感じていたんじゃなかったのか?
日本の外に出て、もっと世界を知りたいと思ったんじゃないのか?

ちょうどそのころ、仕事の区切りがついたタイミングだった。

もう、今しかない!
そう思ってパートナーに相談・説得し、結婚を機に移住を決意した。


|オールドメディア・ニューメディア

ここから話が転換していくのだが、私はずっと悩んできたことがある。
それは情報の取捨選択だ。

新聞社やテレビはオールドメディア、YouTubeやSNSなどはニューメディアと呼ばれているが、かつてオールドメディアの報道によって操作されていた世論が、ニューメディアの登場によって覆る事態が後を絶たない。

最近のアメリカ大統領選や日本の知事選がまさにそうだ。

ただ注意してほしいことは、どちらが正しいということではないということ。
ニューメディアが正義かと言われたら、それは違う。

どちらにも、意図的に世論を操作したい思惑のあるひとや組織が存在することはもう事実なのだ。というか、人間の本質を考えれば当然だ。

私自身、あまりテレビを観なくなってから何年も経つが、ニューメディアばかり見て影響を受けるのもよくないと思っている。
だれがどういう目的で発言しているのかを冷静に把握することが必要だと思う。

YouTubeやSNSの登場によって自由を手に入れたのかと思いきや、逆に自分たちの首を絞めているのかもしれない。


|炎上による認知戦

「炎上」という言葉はいつからこんなに一般的になったんだろうか。
特に日本ではだれかを叩く文化があるが、それが日本人の美徳なのだろうか?
ダサい。

そしてその「炎上」の根本は、だれかが故意につくっていて、そのまわりのピュアな人間が拡散している可能性があるということだ。

「いや、SNSで画像や動画が出回っているからだ!」
という人もいるだろう。でも、その画像や動画が果たして本当なのだろうか?
切り抜きで編集され、言葉を繋げられた音声なのか?AIによるフェイク動画なのか?

最も恐ろしいのが、AIによる情報操作が行われ始めていることである。

そして、すでにそれが戦争に利用されていることだ。
まさに「認知戦」と言われている。

多くの人は戦争が起こらないでほしいと思っているだろうが、戦争はビジネスだ。
昔は物理的な攻撃を仕掛けて始まるものだったが、例えばAIにSNSでフェイクニュースを流させ、それを炎上させることで人々の怒りを生み、戦争を始めることだって簡単なのだ。

果たして、私たちは何を信じればいいのだろうか。


|世界の右トレンド

トランプの登場からヨーロッパ諸国が影響を受け、世界が変わろうとしている。
ヒト・モノ・カネの移動が自由になり、多様性を重んじるグローバリゼーションの動きから、一転して自国中心主義に戻ろうとしている。

今までと違うのは、最近は政党の思想が混ざり合っていること。

昔のように右派と左派で境界線がハッキリしていなく、多様化し複雑になっているのだ。かつては左派でリベラルな思想をもつ政党も、トピックによっては右派政党と同じ意見を持つようになってきているのである。

そして、各国で移民を制限する法律改正がすでに行われている。
フランスもまさにそうだ。

そして、なんと悲しいことに、ヨーロッパの若年層の中で「ミソジニー(misogyny)」という女性蔑視な考え方が多くなってきているらしい。友人と話すと、ニューメディアにより男性優位の考え方をもつインフルエンサーが影響を与えているという。

日本がグローバルスタンダードに遅れていると言われながらも徐々に変わっている中で、海外では逆回転が始まっているのかもしれない。


|私たちはこれからどうすればよいのか?

私はかつて外資のファッションブランドで勤めていた際、パワハラ上司の男性に、他の社員を指さし「あいつゲイなんだよ、キモイよな」と言われたことがある。

その瞬間、「普段から私を侮辱するお前の方がキモイんだよ」と個人的な感情が走ったが、そもそもファッション業界は多様性を理解しないと成功しないものなのに、なぜ役職のついているお前が理解せずに軽率な発言をするんだ、と感じた。

私は、ひとの見た目や性別、国籍、宗教などでその人間性を決めつけたくないと思っている。
けれど、ひとは当たり前に嘘をつく生き物であり、弱肉強食の世界で生きていて、最終的に国家に帰属しているものだとも理解しておかなければいけない。

だから、くだらない話題に対して匿名で人を叩くようなダサいことをしたり、そういう人間を支持するようなことはやめて、自分の意見はどうなのか?と、常に自分なりの答えは何なのかと考えることが必要だと思う。

そして頭でっかちになることなく、日常の中で生身の人間同士でコミュニケーションをとることも大事だと思う。

ちゃんと考えている一般的な人ほど、口をつぐんでいることが多いからだ。


|なぜ自分はこの世に、日本という国に生まれてきたのか?

だれしも一度は考えたことがあるのではないだろうか。

そして、限りある時間の中で自分はいったい何ができるのか?何をすべきなのだろうか?

人生の折り返し地点ともいわれる35歳。
もちろん人生100年時代に突入しているが、健康寿命を考えるとだいたいそのくらいだろう。

別に自分はすごい人間でもなければ、偉い人間になりたいわけでもない。

でも、自分だからできることって何だろう?

移住してからより考えるようになった。

そしてまだ答えは出ていないが、海外にいる視点で自分なりに情報を共有できたらと思っている。

ただ、AIによって世界が私たちの想像をはるかに超えるスピードで変化していることは確かだ。

それが何を意味するのか?

正解はわからないが、他人のせいにすることなく、自分の頭で考えて行動することが必要な世の中になっている。

このブログを読んでくれている人たちはどのように考えているのだろうか?
ぜひ意見を共有してほしい!

決して悲観的になることなく、少しでも明るい未来のために日々生きていきたいものだ。


とかいろいろ言ってたら、

あ、もう35歳になった!

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